ちゃぶ台のトースト ~Akamaru Bakery Official Blog~

東京の雑司ヶ谷という小さな町の小さなパン屋「赤丸ベーカリー」のブログです。日常生活そのもののパン「ちゃぶ台のトースト」をモットーに、日々パンづくりに励んでいます。

これ「好み」ます!

13

運命の出会い~刷毛編~

 菓子パンとバターロールには、焼き色に艶を出すために窯入れ直前に溶き卵を塗ります。

 ホイロ(発酵室)から出した時の生地表面の状態や、焼成時間によって異なる卵液の濃度に気を配ることも大切です。

 さらに、「塗り卵は目で塗れ!」という言葉のとおり、ムラや塗り残しのないよう丁寧な作業が求められます。

 しかし、いくら丁寧な仕事をしようとも、刷毛がダメならすべて台無しです。

 最も嫌らしいのは「抜け毛」。

 パンの表面に残った刷毛の抜け毛は、その商品価値をゼロにしてしまいます。

 また、塗りムラや塗り残しの問題には、刷毛先のまとまり具合と毛量が重要になってきます。

 塗り卵に使用する刷毛の毛量は、ちょっと少ないくらいが丁度よく、多ければ多いほど使い難くなります。

 とは言うものの、なかかな無いのですよ。このような刷毛は.....

 これまでも、製菓製パン用として売られている様々な刷毛を試してきました。

 しかし、結局ダメで、1本数千円も叩いて高級料亭で使われているような料理刷毛を使ってもみましたが、すべての条件を満たしてくれる刷毛には出会ったことがありませんでした。

 それが、ネット上でやっと巡り合えたのです。

 運命的でさえあります。大げさとお思いでしょうが、それほどまでに使い易いのです。

 しかも、1本800円しないのです。

 その名は、「山羊刷毛 極」

 「ごく」でも「きょく」でもありませんよ。

 「きわめ」です。

 丈夫な山羊の尾の毛を使い、しかも折り曲げて固定するという技を使っているのだそうです。

 長年の懸案が一気に解決したこの爽快感。

 同じ苦労をしている同業の皆さん、パン作りが大好きな奥さま、お嬢様、お兄様。

 決して私は騙しません。ぜひ、この刷毛を使ってみてください。

 取り扱いは、大田区矢口の「キッチン工房」さんです。

004-s
※右手に刷毛、左手でカメラ。なかなか難しい撮影のため、ちょっとボテッと塗れてしまいましたが、実際はもっと薄く、きれいに塗れます。ご安心ください。



15

鶴太郎ワールドに浸って、哲学する

turutaro 定休日の本日、明日の仕込みを終え、久しぶりに妻と出かけました。

 相変わらず、地元の大繁華街池袋ですけど。

 今日の目的は、池袋西武で開催されている「片岡鶴太郎展~墨牡丹~」。

 すっかり鶴太郎ワールドに引き込まれてしまいました。


 今更ながら、あの「ひょうきん族」で腹の底から笑わせてくれていた「鶴ちゃん」かと思うと摩訶不思議な気分にもなりますね。

 特に、私が圧倒されたのは、「仏陀」を描いた作品でした。

 そして、鶴太郎さんが作品に添えた仏陀の言葉。


『今、自分は何をしているのか。 turutaro-budda

今、自分のしている事は自分にとって大事な事なのか。

今、自分のしている事は人様にとって大事な事なのか。

そして、大勢の人様にとって大事な事なのか。

国中の人様にとって大事な事なのか。

世界中の人様にとって大事な事なのか。

この自然のあらゆる生き物にとって大事な事なのか。

よく考えてごらん。

もし、そうでないと想うのであればすぐにやめなさい。

なぜならば、 この世は、 全て、 一つに、 つながっているからだよ。』



 ほんの数分のことだとは思うのですが、その場から動けなくなってしまいました。

 まだまだ、未熟の未の字にも達していない自分。

 明日からまた頑張って、せめて身近な「人様にとって大事な事」だと納得できるくらいの仕事には近づきたいものです。


 (※「仏陀」の画像は絵葉書を使用させていただきました。なお、「片岡鶴太郎展~墨牡丹~」は、9月19日(月・祝)まで、西武池袋本店別館2階「西武ギャラリー」で開催中です。)

11

五里霧中

 政治、経済、社会、嫌なニュースばかりです。

 まさに五里霧中。

 大人しくパンを焼いていればいいのでしょうが、私も日本人の端くれですから、「はらわたが煮えくりかえる」ような思いを禁じ得ません。

 ニュース番組そのものへの嫌悪感も日々募るばかりです。 

 特に、北方領土問題のような話題のすぐ後に、エリカ様がどうしただの、牛丼がどうしただの (-。-)y-゜゜゜

 最近の私は、TOKYO MXの「5時に夢中!」へ現実逃避しています。
21

絵本「ペンキや」を読んで

         penkiya
     
 ある名もないペンキ職人の誠実な一生を、深く静かに描いた作品です。

 人は何のために生まれてきたのか。

 仕事とは何か。

 夫婦の愛とは。

 親子の絆とは。

 そして、人が最期に手にすることができる「誇り」とは。

 大人のための絵本と言っても許されるでしょう。

 ここ数日の間に、何度も読み返しました。

 深いです。

 以前にもこのブログでご紹介させていただきました、当店のお客様であり、ジオラマ写真家としてご活躍中の大畑氏が、「ぜひ、読んでみて」とお貸しくださったのです。
 (大畑氏のHPはこちら⇒「カメラマン大畑俊男の世界」)

 発行元である出版社が最近倒産してしまったため、なかなか入手困難な旨、お聞きしたのですが、Amazonに在庫がありました。

 早速購入。昨日届きました。

 「ペンキや」
 作 梨木香歩 
 絵 出久根育 
 発行 理論社
9

たまには芝居を観に行こう

oba-tono-tabi

 青山円形劇場にて上演中の舞台「叔母との旅」を観てまいりました。

 出演は、段田安則さん、浅野和之さん、高橋克実さん、鈴木浩介さんの4人。

 その4人の俳優が、客席に囲まれた円形のステージ上で、シンプルな小道具のみを用い、衣装さえ替えることなく、一人の主人公を4人でリレーするかのように演じながら、さらには目まぐるしく老若男女20役を演じ分けるという、役者の演技力と観客の想像力に満ち溢れた舞台でした。 

 俳優というよりも、「演劇職人」とでも表現したくなるような4人の役者さんに、同じ「職人」の一人として大きな拍手を送りたいと思います。

 特に、浅野和之さんには、子供を通じてのご縁も浅からずありましたので、更に大きな拍手と、今後の益々のご活躍をお祈りさせていただきます。
プロフィール

ジャム兄

最新コメント
ギャラリー
  • 掲載御礼~TokyoWalker 11月号~
  • 掲載御礼~TokyoWalker 11月号~
  • 掲載御礼~TokyoWalker 11月号~
  • 恒例!「夏のプリン祭り」開催中
  • 掲載御礼~世界のかわいいパン~
  • 掲載御礼~世界のかわいいパン~
記事検索
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ